* 般若犬〜北極圏犬ゾリツアー〜 その8 * (メールマガジンでお届けに上がる商品のほんの一例です。) |
*これは続き物です。その7はこちら、 *その6はこちら、 *その5はこちら、 *その4はこちら、 *その3はこちら、 *その2はこちら、 *その1はこちらです。 その日は、「ログハウス」な〜んて言うと言い過ぎの、正に『丸太小屋』で宿泊しました。 女性であるワタシと、友人だけは区切られたスペースで寝ていいよ、というコトになったのですが、みんなは丸太小屋の中で寝袋でザコ寝です。(もちろん、ワタシ達も寝袋使用です。) 電気の変わりに固形燃料を灯して、部屋の中ではたき火です。 でも、そのたき火も就寝の時は消してしまうというコトで、びびりました。 でももっとびびったのは、トイレが外、しかも結構歩かなければならない雪深い中にあるコトでした。 外は零下30度の北極圏。皮膚の下の水分まで氷ってしまうから顔を洗うのもダメ、なんて言うところでオシッコするんですから、ひょっとしてマンガみたいにオシッコが地面に付くまでに氷っちゃうんじゃ無いかナ〜なんて思って実験してみましたが、大丈夫でした(^_^;)。 (トイレはちゃんと個室があったのですが、ワタシは是非、弧を描いて固まるオシッコが見てみたかったので、雪原の中で用を足したのです。 (↑イケマセン!(>▽<)!)) ------ その日の夜は、撮影も一段落というコトで、その丸太小屋の中で結構みんなわきあいあいとお酒なぞ飲んでいました。 撮影に協力して下さっていたカイさんと言う、現地のアウトドアの達人の男性がもてなして下さって、わざわざ奥様のお手製のケーキなんかも出して下さいました。 でも、撮影隊のみなさんは食欲がありません。 いや食欲が無い、というか元々みなさんあまり食べない人達なのでしょう。 ワタシは常々日本の人達は男性も女性も食が細いな〜と思っています。 ワタシは日本では大食いの方みたいで、よく一緒に食事に行った男の子に 「よく食べるね〜」 と驚かれたりしますが、香港の女性だって、タイの女性だってもっと沢山食べるし、でもだからと言ってそのせいでスタイルが悪い、というコトも無いみたいです。 これは余談ですが、どうして日本以外のアジアの女性が食べてる割にスタイル良いのか、というコトについて、ワタシが考えるには、まず人種・・・というかそもそもの骨組みが違う・・・日本の人の体型って、最近の10代の人とかは随分違いますが、やっぱりどっしり型だと思うんです。 あと労作や気候の問題もあるし・・・人々の歩くペースとかそういうのも関係してくる様に思います。要するに普段の生活での運動量とか消費カロリー量とかが違うのでしょう。 それからこれが一番の原因の様な気がするのですが・・・ワタシは日本の食事ってどれもみんな「甘い」な、って思うんです。 半年以上外国で生活して日本に戻ってくると、日本の食事ってどれもこれもみょ〜にまったりと「甘い」感じがするのです。 それは一つには食生活が豊かで総じて高カロリーというコトが挙げられるんでしょうけれど・・・日本だけの特有の「甘さ」というか、そういうのが関係しているんじゃないかな、と。 日本にあって外国に無いもの・・・それは最近海外でも注目されていますが「旨み」というモノだと思います。ワタシはなんとなくこの「旨み」というモノが何か見えない未知のカロリーというか、カラクリがあって、それが体型やスタイルに関係しているんじゃないかナ〜なんて、漫然と思っています。 そう言えば旨みって「旨味」、「うま味」、「甘味」、「甘み」なんても書く様ですね。まぁ、体型との関係はさておいて、日本の人が(欧米の様なガツンと来る甘さでは無くて)なんとな〜くまったりと甘い、というのがウマイと感じているのは確かの様ですよね。 ------ ・・・さて、せっかくケーキまで用意したのに一向に食の進まない撮影隊の男性陣に対してカイさんは、みんなが遠慮しているのだと思って 「みんな!もっと男の様に食べてくれよ!」 と冗談(?)を言っていました。 でもやっぱりあんまり食べられない撮影隊の人達。それでもケーキだけはカイさんの奥様の手作りをわざわざ持って来て下さったと判って皆で分け合って食べ切りました。 ・・・他にもカイさんは、ウイスキーの氷が無くなると外から雪を取ってきてグラスに入れたり、 (コレは男性陣の間で「オン・ザ・スノー!Ц\(^-^)」なんつって、いたくウケていました。) 「トイレはどこ?」と誰かが聞くと、 「(外の)全てがトイレさ!」 と答えたり、なかなかに面白くそしてあったかい人でした。 ワタシはカイさんと仕事(撮影)した記憶はあまり残っていないのですが、この丸太小屋の日の楽しい時間や、イカツいナイフを器用に使いこなすこと、確か利き手の指がひとつ切断されていたコト、 立派ないかつい山男に見えて、実は(ひょっとして彼はまだ凄く若くて20代前半、もしかしたらハタチそこそこなんじゃないか?)とみんなで噂したコト、奥さんがなかなかの美人さんらしい(撮影隊の人の一部が目撃)コト、 そしてお別れの時、ワタシ達が飛行機に乗る直前の空港で、みんなに「アウトドア教室修了証」をひとりひとりに手渡してくれ、目を真っ赤にして別れを惜しんでくれたコト、 そしてその証書をいつ渡そうかとはらはらと一人時間を気にしてくれていたコト(証書が発行されるというコトはみんなにはナイショだったので、ワタシ達にとっては忘れるコトの出来ないサプライズ・プレゼントになりました)・・・ 大きな体でお髭すごくあったかくて素朴で正直で・・・そんな印象が強く残っているのです。 ワタシが出会ったフィンランドの人々は、このカイさんだけでなく、みんなそんな風に素朴で親切であったかい人達ばかりでした。 厳しい自然の中で共に協力して生活しているとそうなるのかナ・・・なんて勝手に考えました。 -------- ・・・この丸太小屋での想い出は本当に尽きないのですが、その楽しい思いでの中でもう一つ印象に残っているコトがあります。 それはみんなが休んでいるかサウナに行っているか・・・ともかく自由行動の時、音声のスタッフの若い男性の方だけが只一人、明日の撮影の準備やテープの整理などをもくもくとしていたコトです。 「みんなと一緒に行かないんですか?」感心ですね、みたいなコトを言ったワタシに対して 「前・・・コレやらないで酷い目に合ったコトがあるから・・・」 と口数少なにお仕事されていたのが印象的でした。 その後のロケで彼は屋根から落ちて骨折、現地の病院に入院するコトになるのですが・・・今はまだそんなコトは誰も予想出来ない、丸太小屋の夜なのでした・・・ (その9につづく) |