* 般若犬〜北極圏犬ゾリツアー〜 その1 *
(メールマガジンでお届けに上がる商品のほんの一例です。)
在庫(メールマガジンのバックナンバー)を整理していて、ワタシは今まで殆どオーストラリアとヨーロッパの事を書いていない事に気が付いた。

で、今日はフィンランドのお話し。

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フィンランドへは、10年前位、TV番組のお仕事で行った。

「ぎみあ ぶれいく」というTBS の番組で、大橋巨泉、関口 宏、ビートたけし、ケントデリカットなんかが出ていたバラエティ番組だ。

「笑うせーるすまん」をやっていた番組、って言った方が判りやすいのかな?ともかくその番組のロケで連れて行ってもらった。

そうそう、放映された日は、丁度「笑うせーるすまん」の特集もやっていた。ワタシが出が方は、「ここまで来た、究極の海外旅行」と銘打った海外旅行特集のVTRだった。

前半が「ここまで来た、究極の海外旅行」、後半が「笑うせーるすまん」という特番だった。(しかし・・・おもろい組み合わせだ)

番組上では、ワタシと、その友達が行った旅行を密着取材、というカタチだったけれども、もう時効だろうから言っちゃうけれども、本当はその特集を撮る為に北極に行ってくれる手頃な女の子を捜していて、それでワタシに白羽の矢が・・・というかおハチがまわって来たので、旅行に行った、というワケだった。

ワタシを推薦して下さったのは、ケニア旅行の時お世話になったある旅行会社さんの社長さんだった。

彼は、当時ケニアの女性と結婚していたという大変なケニア好きで、そのケニア好きが高じて旅行会社を初めてしまったという、自然と動物が大〜好きな気の良いおじさん。

で、そんな人が作ったツアーだからとっても楽しく内容も大満足で、そんなぐっどなサファリ・ツアーにワタシが参加した時、丁度その時は社長自ら添乗員さんをやっていて、それで仲良しになった、というワケです。

そのツアーは本当に愉快で、社長さんだけでなく、他のツアー客の方全員と仲良しになって、例が古くて申し訳無いけれども、それは丁度日テレ系の「アメリカ横断ウルトラクイズ」で挑戦者のみんながライバルでありながらもだんだんと一丸となって行く様な、そんな感じのアットホームなツアーだった。

んで、その旅行会社にTV局から『なんか、おもろいツアーがナイもんかね?』と連絡が来て、それでその旅行会社が「フィンランド・サファリ 北極圏犬ゾリツアー」というのはどうだろう?というコトでその企画が始まった。

当初、ロケに連れて行く女の子は、添乗員として一緒にロケに参加するWさんが、ご自分の後輩のきゃぴきゃぴ女子大生をと推薦したらしいのだけれども、まぁ、そちらの打ち合わせがもたもたしてたのと、(そらそーだよな(^_^;)。きゃぴきゃぴの女子大生が北極圏なんてフツー行きたがらねーって。)

「彼女(ワタシのコト)、すごく感激屋さんでなんでも驚くし、連れて行ったらおもしろいよ」

と社長さんがワタシを推してくれ、晴れて(?!)ワタシにお電話が。

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モチロン、ワタシは2つ返事でOK。でも問題もあった。

一つは、24時間以内に一緒に北極まで行ってくれる人を捜すこと。
二つ目は学校と仕事を10日も休まなくてはならないこと。

一つ目は、なにしろ急なコトだったので、すったもんだとあったけれども、なんとか先の「ケニア・サファリ ツアー」で仲良しになった一つ上の女性がご一緒してくれるコトになった。

二つ目は、本当に大変だった。

当時、ワタシは看護学校に通いながら、小さな皮膚科に見習い看護婦としてお勤めしていて、医療の世界では『学生さん』という立場だった。

『学生さん』にも色々あるけれども、ワタシが通っていた学校&医師会は、『学校に通いながら仕事する』というよりは、『仕事を抜けて学校に行かせていただく』と言った感じのひっじょお〜にキビシイ立場で、

それだけだって大変なのに、ワタシはその年の夏に(ロケは12月上旬だったと思う)車にはねられて1ヶ月も寝た切り、お仕事も学校も随分休んでしまっていたのだ。

でも、どうしても行きたくて、だって北極圏なんて、このチャンスを逃したら一生行けないかもしれないじゃない?

で、コレはまだ本人の中では時効になってないんだけれども、

「(看護学校に入学する直前に行った)ケニア旅行の時の旅行会社のキャンペーンで、北極旅行が当たった

と言って、院長先生を始め、奥様、職場の先輩、そして校長先生(と言っても街のお医者さんだからその病院まで)に頭をさげに行ったり・・・

で、結果校長先生はダメだと言ったけれど、自分のお勤めする院長先生がOKを出してくれて、出発までは先輩ナースが怒って勤務中に帰っちゃったり、いじめられたり(←当然だ!)と、大変だったけれど、どうにかこうにか行かせて頂くことに・・・

モチロン、TVのコトなんてみ〜んなにナイショ(神様、ワタシの働いている地域の人だけ、どう〜っか「ぎみあ ぶれいく」を視ませんように!!)と思いつつ出発。

(ホントのコト言うと、本人はその頃殆どTVを視ていなかったから、「ぎみあ ぶれいく」という番組が結構有名な番組だという感覚が無かったのである。)

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あ、そだ。もう一人北極行きをナイショにして行った人がいる。

それは父。

当時、ワタシの両親は別居していたか離婚していたかで、ともかく父母は一緒には住んでいなかった。

ワタシは一応父方の家に居ることになっていたけれども、殆ど家になんかには居なくて、当時付き合っていた彼の家にいそうろうしていた。

そもそも、ワタシは旅行に行く時、まず父にはその事を言わない。

ケニアに行く時も言わなかった。その時も、母と妹にだけ言って行った。

ワタシが「ケニアに行く」と言うと、母は

「松島トモ子みたいにライオンに喰われんなー!」

と言った。そしてその約10ヶ月後、今度は「北極に行く」と言ったら今度は

「いずみまさこみたいに太って来んなー!」

と妙に怖い声でワケのわからない戒め方をした。(すみません「いずみまさこ」さんの漢字が判りませんm(_ _)m。)

ロケへはワタシと、その友人(というかツアー仲間)、添乗員のWさん、番組製作会社の監督さん、照明さん、音声さん、そしてカメラマンさんにはわざわざ北海道から雪に強くて腕が良いとそのギョーカイでは有名な人が来られるコトになって、総勢7人、ナリタを出発した。

現地では、現地ガイドの人も合流するとのコトだった。

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ナリタでは、ワタシを推薦して下さった社長さんがお見送りに来てくれていた。そして

「やっぱり、一度オーロラが見てみたくって!」

「なんと言っても北極圏に足を踏み入れる!っていうのが目標ですっ!!」

なんて、出来もしない小芝居をカメラの前でやらされて、無事、出航。

X'masが近かったから、フィンランド航空の飛行機の中はクリスマス一色で感激(はあと)。

ナフキンや、シートのカバーにサンタさんのお顔が印刷してある。

こんな立派な旅客機で旅したコトがなかったので、すご〜くシアワセ〜(はあと)。

でも、時間はかかったけどね。

やっとこさっとこ飛行機はヘルシンキに。

窓の下は雪が降っていて、その雪が森の木や、かわいらしいお家に降り積もって、まるでお菓子の国みたいだ、と思った。

小さな小さな丘みたいなスキー場も、絵本の中に出て来る様な建物も、人も、もみの木も・・・みんなみんな本当にケーキの上でちょこん、ちょこんと乗っかってる愛らしい砂糖菓子みたいだった。

(その2につづく)