* 般若犬〜北極圏犬ゾリツアー〜 その5 * (メールマガジンでお届けに上がる商品のほんの一例です。) |
*これは続き物です。その4はこちら、 *その3はこちら、 *その2はこちら、 *その1はこちらです。 さて、記録によると、サンタさんとお会いしたその日は、どうやら「サーリセリカ」という所へ泊まった様です。 そしていよいよ、次の日。 犬ゾリに乗ってイナリ湖を横断・・・の筈が、暖冬で湖が氷らず、(多分ペタヤサーリと言う所の、湖に面した山道をひた走るコトになりました。 犬ゾリに乗せてくれる所へは、まだ薄暗い頃、朝早く行ったと思います。(とはいえ、日中の殆どが夜見たいなものなので、年中暗いんですが。) そこには、高さ約2M半位の大きな大きな檻があって、ワタシ達が到着した時、犬達は興奮してその檻を駆け上がったり飛びついたりしていました。 犬の種類は当然(?)「シベリアン・ハスキー」です。 今でこそハスキー犬は、ポピュラーな飼い犬になりましたが、当時はまだとてもめずらしく、日本ではまず見たことが無い様な犬でした。(よほど動物が好きな人で無い限り、名前すらも知られていない様な状態でした。) その般若の様な顔の犬達は大変どう猛でたくましく、人間の手に負える様な風には見えず、近寄ったらかみ殺されてしまう様な雰囲気があり、撮影隊の人達は怖がってその檻にすら近寄れない様な状態でした。 しかし、ワタシと同行の友人は大の動物好き。だってケニアのサファリ・ツアーで知り合った二人です。 犬達が繋がれて、でも大のフィンランドの大男を引きずりながら檻から連れ出されたとたん、ワタシはもういてもたってもたまらず犬に駆け寄り頬ずりします。(モチロン、撮影隊の人達はびびりまくって後じさりしていました。) 続いて同行の友人も喜んで犬に触ります。 立ったらワタシの背よりもありそうな、でっかいしかも般若の顔をした犬でも犬は犬。そのうちお腹を見せて喜び始めてしまいました。 すると、犬ゾリのエキスパートのおじさんに怒られてしまいました。 何でもそうやってなつかせると闘争心をそいでしまい、犬ゾリの犬として役に立たなくなってしまうのだとか。 あらら・・・知らなかったコトとは言え、ほんとーにごめんなさいm(_ _)m。 ------- さてさてお待ちかねの犬ゾリです。 まず最初に友人と現地ガイドの日本人のおじさんがタンデムにソリに乗り込んで出発します。 次いでワタシと同行添乗員のお兄さんと二人を乗せた犬ゾリが勢い良く出発しました。 敷地内から外の道に出る所は急なカーブになっています。 でも犬ゾリは勢いを落とすどころかますます勢い付いて進みます。 前にも書きましたが、ワタシは皆にはびっくりされるのですが、実は二輪の免許を持っていて当時は単車にも乗っていたので、 (ふえ〜すげ〜な〜、こーんなスピードでコーナー突っ込んで曲がりきれるものなのか〜!流石プロだ〜!) なんて感心した瞬間、ソリがモーレツな勢いで転覆してワタシ達は道路へ投げ出されました。 (そ・・・そうだよな・・・や・・・やっぱりムリだよな・・・ありゃ・・・) 投げ出されたワタシは体中がびしびし言って、おまけに春にやったむち打ちの苦しさも襲って来てしまいました。 (う・・・か・・・体がうごかん・・・) (で・・・でも、撮影も途中だし、ワタシがこんなじゃ台無しになっちゃう・・・なんとか皆に心配かけない様にしなくちゃ・・・) と思い、すっごくムリしてすっくと立ち上がり、 「さぁ!もっかい行こう!!」 と片手を元気良く上げた瞬間、同行添乗員の方が、 「ど・・・どうしよう。犬が行ってしまった・・・」 そうなのです。犬達は投げ出されたソリを置き去りに、自分たちは華麗にドリフト決めて走り去ってしまったのです。 遠く、ハスキー達のオシリを眺めつつボーゼンとたたずむ二人・・・ ------ で、結局犬ゾリの犬達をスノーモービルで追いかけて、繋ぎ直したのです。なんつーおマヌケ(^_^;)。 そして、ここからがジコクでした。 白銀の針葉樹林の山の中をひた走る犬ゾリ・・・景色は本当に素晴らしく、本当に素晴らしい故にカメラマンの方の撮影魂に火が点いてしまったみたいで、一向に撮影は終わりません。 先行した友人のソリから友人と現地ガイドの人を下ろして撮影隊が乗り込んで、なのにワタシと同行添乗員の方はそのままで撮影続行。 如何に暖冬と言えどもここは北極圏。気温はマイナス30度。いくら宇宙服の様な防寒服を身につけているとはいえ・・・ えんえんとえんえんとえんえんと続く撮影。そうしている内なんと、犬達がへばりはじめてしまい、ワタシの方のソリは同行添乗員の方が、そして撮影隊の方のソリは照明の方がソリを降りて犬ゾリを後ろから押す始末。 ワタシはというと、何度も何度もほっぺを叩かれ同行添乗員の人に 「寝るなーッ!寝るなーッ!!」起こされ起こされしていました。 だってすっごく眠かったんだもん・・・アレってあの眠気だよね? やっぱり・・・(^_^;)。 そんなこんなでボロボロの状態で犬ゾリでの撮影を終わり、戻って来たら・・・ 友人は 「あんなにずっと犬ゾリに乗ってズルイ!!」 と怒っています。とほほ・・・ 同行添乗員の方は、この『犬ゾリ』が大変気に入ってしまい、コレをツアーの目玉にすると言い出します。 そうなんです。実はこの『犬ゾリ』ってオプショナル・ツアー(ツアー参加者の内の希望者が現地でエキストラの料金を払い、参加する現地ミニ・ツアーみたいなもの)だったんです。当初は。 そんなワケでナリタを出発する時は「フィンランド・サファリ」だったこのツアー、この時から「北極圏犬ゾリツアー」という企画になってしまったのでした・・・(^_^;)。 (その6につづく) |