*に ゃ ん ぱ ら り* (メールマガジンでお届けに上がる商品のほんの一例です。) |
猫が好きな人は、帰宅するとまずなにより、自分の愛猫の無事を確認する。 そういう私もモチロン、帰宅すると同時に我が家の愛ドル(さぶっ)、猫の「ふーたん」の姿を探す。 これは、先日友人のチカちゃんをつれて帰宅したときのおハナシ。 チカちゃんを家にあげつつ、私はいつもの様にふーたんを探した。いたいた、いつもの三脚の上。 ふーたぁん、ただいまぁ、あいたかったぁって、アンタ何くっつけてんの?! 見ると、ふーたんの腰になにか白い物がまとわりついているのだ。 だっこして更によく見てみると、それは、スーパーの白いビニール袋。なんと、そのとっての所に、どこをどうしてそーなってしまったのか、彼の腰がはまり込んでいる。 通常、猫は、そのひげで自分が通り抜けられるかどうか計れるから、自分が抜けなくなるほど細いところにはまり込む、なんて考えにくい・・・んだけど、でも、ま、とにかく彼は大分ぎゅうぎゅうにビニール袋の取っ手にはまり込んでしまっていて、しかも、それがかなり痛むみたいなのだ。 なにはともあれ、その袋をとってやらなきゃ、と思ってふーたんをいったん三脚の上に下ろした。 んで、ビニールの袋に手を掛けようとすると・・・ ふーたんは、どーかしてしまったみたいに、どーかしてしまっていた。 目は黒目ばっかり、しっぽは煙突掃除のたわしみたい、もともと小型犬位あるカラダは、更に大きく、全身でパニックを表現しながら私に襲いかかってきたのだ。 「ぎぃやぁ〜」彼の爪が私の手に食い込む。そして悪いことに、爪はあまりに深く食い込んでしまっていて、私の手の甲から離れない。 痛さのあまり思わず手を振ると、手にふーたんがくっついて来てしまった。私の腕は、なんと5キロ以上もある彼を「猫の爪」というフックだけでつり下げているのだ。「ぎぃやぁやぁやぁ〜」 つり下げられてる彼の方だってたまらない。まず、悲鳴で気が立っているし、自分の爪は回収できないしで、彼からしてみたら、自分の手は相手に喰われ、更に宙づりにさせられていると思い込んでいるのだ。 お互いのパニックは最高潮!!「ぐぃやぁぎぎぎやぁあああ〜」もう、どっちの悲鳴だかもわかりゃしない。 やっと爪がとれてお互いのカラダが離れた。が、やはり私は人間。気をとりなおして、尚も彼の袋をとってやろうと手を伸ばした・・・その時!(TVならここでCMだっ)彼は「くるんっ」と一回転してしまったのだ。横にじゃないよ、バック宙状態に、だよ。 察するに、猫の頭しか持ち合わせていない彼は、私に尚もいじめられると勘違いし、戦闘態勢は解除されず、猛反撃したいのと逃げたいのとビックリしたのと痛いのとワケガワカラんのとがさくそーし、そのパニックが限界点を超え・・・「にゃんぱらり」してしまったワケなのだ。 「きゃー!ちゃあちゃん、手!手!」と、今度はチカちゃんの悲鳴で我に返ると、私の手は血がだくだく流れていて、ふーたんの袋ドコロのハナシぢゃ無くなっていることを(私の人間の脳は)察知したのだ。ふう。 とりあえず、その部屋に入るのは断念して、チカちゃんと私は別の部屋に回避した。 回避した部屋で血を拭いながら私は、「にゃんぱらり」はあながちうそじゃなかったんだな〜と考えていた。 ふーたんのパニックがやや気になったが、やっぱり腰の袋の方が気になって、ズキズキする手を押さえながら、おそるおそるもとの部屋に戻ってみる。と、当のご本人様は、袋を引きちぎり、何事も無かったように三脚の上で外を眺めていた。 まったく、猫ってヤツは・・・ その後病院に行き、入院している妹にその話をすると、ふーたんの心配ばかりしていて、私の手の傷の事なんてこれっぽっちも心配してくれない。 母なんかもっとヒドイ。 病院から帰ると、母も勤めから帰って来ていたので、今日の大惨事を報告すると、母は私の手の心配をするどころか、ふーたんに袋をかぶせたのは私だと勘違いし、ナント私に怒りまくった!(オイオイ、母ぁちゃん) やっとの事で“私が帰宅した時には、すでにふーたんは袋にはまり込んでいたのだ”とナットクさせると、今度は怒りの矛先が父に向けられ、(父は先ほど帰宅したばかりである。)居間でまったりしていた彼をイキナリ襲撃した。とーちゃんにしてみれば、寝耳に水・・・いや、寝耳にジャム位のショーゲキ、コレはもう天災のイキである。 かくして我が家はまたてもややこしい戦闘状態に陥るのだが・・・ 嗚呼、マッタク、それにしても・・・猫好きってヤツは・・・はぁ。 ま、かくいう私も初めて袋付のふーたんを見つけた時はばーちゃんの仕業だと思ったんだけどさ。 余談だけど、結局ふーたんに袋をかぶせた犯人はというと、この騒動の一部始終を冷静に見ていたチカちゃんに言わせると、「“自分で遊んでてはまりこんじゃった”んじゃなーいん?」との事である。 マッタク、その通りである。 これにはこんな後日談が・・・水芸?! |