* 香 港 の 病 院 で * (メールマガジンでお届けに上がる商品のほんの一例です。) |
*このお話は『日本語学校で』と一話読み切り前後編になっています。*
(このページが前編というかいきさつです。) ワタシは以前、香港の日本語学校で働いていた事がある。 そうなる前はこんないきさつがあった。 ----- 上海で体の不調を感じたワタシは北京行きの飛行機をキャンセルして(それが後々に大変な事になるのだが、それはまぁ今は置といて)香港へ向かった。 香港には一度行ったコトがあるし、西洋医療の病院も(中国よりは)多そうだし、知り合い(後のワタシの旅の師匠)も滞在していたし、 なんと言ってもワタシは香港が大大大大大好きなのだ。 飛行機で香港に飛んで宿屋に荷物を下ろした。 そして次の日かその次の日か、ともかくもう夕方近くだったけれど香港のジェネラル・ホスピタルへ行った。 やっぱ、旅行者は『ジェネラル・ホスピタル』らしい。 バンコクのジェネラル・ホスピタルは非常に快適で、疲れた長期旅行者はしばしば慰安にそこを利用(本当はいけませんよ(^_^;)。でもまぁ、栄養失調とかよくなってる旅行者もいるので、まぁ、いいのかもしれないんだけど)してるらいし。 話しに聞くと、そこはタイのパラダイス、冷暖房完備、優しい看護婦さんの看病。そして日に一度は日本食も出前してくれるらしい。 支払いは旅行保険に入っているからキャッシュレス♪ さぁて、香港の『ジェネラル・ホスピタル』はどんなところかにゃ〜? ------ さて、『ジェネラル・ホスピタル』はいわゆる一つの救急病院になっているみたいで、具合の悪い人であふれ返っていた。 ん〜・・・ 廊下であらゆる病人・けが人と一緒に散々待たされた挙げ句、診察に来た若い医者は、ろくろくワタシを診察もせずに問診だけで、 「入院しろ」 とのたまわった。(っていうかもうワタシはその時点で入院手続きされていたらしかった。) その時はワタシは知らなかったのだが、イギリス式の病院というのは、「病院」は只の施設のそろっているハコで、各ホームドクター(日本で言う所の町医者)が必要な時、自分の患者を治療する為に利用するってぇ所だったのだ。 従って、病院にはその病院専属の、という医師はいない。 ワタシが行った香港の病院は、専属の医師が全くいないという訳でもなかったのだろうが、ともかく、婦人科の医者がいなくて、それで一旦自分が入院して、 後日その病院に婦人科の先生を呼んでもらって診てもらう、ということだったらしい。 ところがその頃のワタシはまだ広東語も英語も全然おぼつかなかったので、そのしくみがうまく理解出来なかったし、 その若い男性の医師が、ワタシが真剣に生理などの話しをしようとすればするほど、隣にいた若い看護婦達ときゃあきゃあと騒ぐのが嫌だったし、 (多分、女性のワタシが関係ない科の医師である彼に堂々と生理の話しをしたりするのをひやかしたんだろう。) それに、もし入院して莫大な費用がかかったら、それが全て保険でカバーできるかも心配だったので、一旦退院の手続きをとって、もう暗くなった香港の道を歩いて宿屋まで帰って来てしまった。 ------ そして後日、日本に留学していたという、しかも女医さんの婦人科の先生を捜すことが出来、その先生の医院に掛かる事にした。 所がそこでは支払いがキャッシュレスにはならなかった。 キャッシュレス、というのは、その保険会社の発行するカード(保険証)を病院に提示すると、その病院は直接自分の保険会社に治療費を請求するというシステムで、旅行者がその場で支払いをしなくてすむ、というしくみのことだ。 それでワタシはそのキャッシュレスが出来て、しかもキャッシュレスにしてくれる提携病院が多い、という事でその保険会社の旅行保険を選んだのだが、 何でも今の「私」の場合は、入院すればキャッシュレスになるけれども、このホームドクターにかかる場合にはキャッシュレスにはならず、一旦自分でお金を立て替えて、後日保険会社に請求しなければならないらしかった。 ん〜マズイ。 だいたい1月の予定で来てるからお金もそれ程持ってないし(10万円くらい)健康保険などは使えないのだから、そっくり自費で医療費を払うとしたら相当な金額になってしまう。 (それに、保険会社がきちんと立て替え分を払ってくれるのだろうか・・・)←この時、一瞬アメリカの保険会社と契約してしまった事を後悔したワタシでした(^_^;)。 でも、背に腹は代えられない。 ワタシはその病院に通う事にした。 ------ 幸いワタシの病気は急を要するとかいう類のものではなくて、普段の生活には差し支えなく、只、少し検査をしなければならない様だった。 しかし・・・医療費。と滞在費(^_^;)。 お金が無くなって切羽詰まったワタシは、香港で働いてみる事にした。 |