* 旅 と 下 痢 * (メールマガジンでお届けに上がる商品のほんの一例です。) |
例の印度旅行の時、 (の事に関しては『「神秘珍珍ニコニコ園」緊急リポート 』とか、 『まず目で、そして手で喰べる。 』とか、 『印度キレイ、キタナイ』とか 『フルーツバスケット(座席を巡るあれやこれや) 』 などに書いてあります。) 南印度でTさんという人に出会った。彼は腰巻き状の服(名前をど忘れしてしまったのだが、南印度の人が良く身に付けている、印度シナでいう所のサロン)を付け、やっぱり現地で買ったチャッパルと呼ばれるサンダルをはいていた。 何でもそのチャッパルは前回の印度旅行で買ったものだそうで、彼はそれを随分と気に入っていて、印度旅行と印度旅行の間の日本でもはき続けていたとかで、その為、もういいかげんくたびれていたのだが、更に彼はそれを直し直しはいていて、そうやって印度の職人に直して貰ったチャッパルが又、彼のご自慢というかお気に入りで、そんな彼がバスで別の地に旅立つ時、ワタシと妹がバス停まで見送りに行ったのだが、そんな彼の正に出掛けも出掛け、じゃあね、と意気揚々手を振ってバスに乗ろうとしたその時、ミゴトにその鼻緒がブッちぎれて、彼はなんかのばしたビーフジャーキーみたいになったソレを引きずり引きずり、笑いながらバスに乗り込んで行った、と長くなったがそういう人だった。 さて、彼がそれ程までにチャッパルに愛着を持っていたその理由は知らなかったが、現地の腰巻きを愛用していた事にはワケがあった。 彼は、ある日ある所でものすごい下痢にみまわれたのだそうだ。 そこで彼が(宿屋の人か誰かに)トイレは何処だと訊ねた所、その人は目の前の池だか湖だかを指さして、「ここ全部がトイレさ!」と言ったそうな。その瞬間、彼はその腰巻きと運命を共にする事がイチバンだと言うことを悟ったらしい。 ともかく、下痢は酷く、しつこく、何度も何度も、何度も何度も、彼はその川面に赴き、そうしているウチにトイレも水式になったという。つまり、その時から彼はトイレの後、紙を使わずに現地の人と同じく水を使う様になったというわけだ。 それにはやっぱりその現地の腰巻きがイチバンで、水式、腰巻き共に下痢時にはとっても有効・・・という事だったらしい。 下痢と言えば、ワタシの妹も印度旅行中激しい下痢をしていた。 彼女が分析するに、その下痢は「辛いモノの食べ過ぎ」だそうだ。そういえば、旅の始めには「おいしいおいしい」とほおばっていたカレーを旅の終わりの方ではあんまり食べなくなったので、何故急にカレーを食べなくなっちゃったの?あんなに美味しいって言ってたじゃない?食べなくていいの?と訊ねると、 「食べたいけど・・・オシリがもうダメ。」 と言っていた。こんな事を書くと又妹に怒られそうだが、その時の彼女はどうやら下痢+ぢのWパンチだった様だ。 ちなみに、ワタシはというと辛いモノはからきしの為、チャパティとドサ(ィ)(米を発酵させたモノを薄く焼いたもの)とダヒ(ヨーグルト)とラッシーで暮らしていたので、それ程激しい下痢にはご縁が無かったのだが、疲れと乾きから高い熱は出していた。 そんな南印度の土壇場で、ワタシ達は「今こそ」とばかりに日本から持ってきたカップヌードルを食べる事にした。 なにしろ、ワタシ達姉妹は共に小さなデイバッグ一つだけの荷物だったので、お互い持って来た、たった1コのカップヌードルは実にデイバッグ内の1/4近くを占めてしまっていた。 その、食べてしまえば減る小さな『大荷物』を、旅の終わり近くの印度最南端のカンニャークマリまで持ち運んでいたのだから滑稽といえば滑稽だが、本人達にしてみればそれは正に最後の砦、いざという時の非常食のつもりだったのだろう。 しかし、そのすっかりひしゃげたカップヌードルにぬるいお湯を入れる時も、別段ワタシ達はそれを食べたかったワケでは無かった。 只、このままではコレを食べずに日本に持って帰ってしまいそうで、流石にそれはバカバカしいし、どうやら2人とも体が弱っている様だし、もしかして今こそがその非常食の出番なんじゃん?ヨ〜シ、ここは一つここでコレを食べてしまおうじゃないか、とカンニャークマリに着いた時から2人は決断していたのであった。 とワタシは記憶していたのだが、妹の説ではちょっとニュアンスが違った。 妹はその時すごい下痢をしていて、へろへろで、何か食べる気持ちも失せていて、それなのにワタシがカップヌードルを喰えと迫ったので、内心『ええ〜こんな状況でも食べろって言うの、ヒドイ〜ちゃあちゃん(ワタシのこと)、ヒドイよ〜』と思っていたと言うのだ。 確かに、ワタシは妹が下痢の時、何か食べろと迫ったが、それがカップヌードルだったとはすっかり忘れていた。言われてみれば、その時も強く言ったかもしれないが、別の場面でもワタシはメシを喰えと彼女をしかった筈だ。(なおヒドイ。) ともかく、彼女が下痢の時、ワタシがそれでも飯を喰え、と言ったのは事実だ。 その時は、ここで食べられなくなったらどんどん体力が落ちてしまうし、幸い吐いてはいないのだから食べても吐きはしないだろう。本人のことばを信じれば、食べても刺激物じゃなければ下痢もしないだろうし、よしんば別の理由で下痢をしてたとしても、下痢が出る分にはOKだから、体力維持を優先して(主にゴハンとか消化の良さそうなモノを)「食べろ」と言ったのだと思う。 なんかこう書くと本当にヒドイ姉の様だが、ワタシだってやみくもに喰え喰えと言っているワケではない。きちんと考えて言っているのだ。 そもそも、下痢というのは悪い出来事だけど悪いコトでは無い。 「下痢」は、カラダが何か悪いモノを体の外に排出しようとしている、いわば自然にそなわった(カラダの)治癒能力なのだから、基本的にはみだりに止めたりしてはいけないシロモノなのである。 体の悪い所が直らないで、又は悪い菌が外に出ないまま、只下痢だけを止めてしまったら、当然悪いものがいつまでも体の外に出ないでちっともカラダは治らないし、場合によってはもっと大変なコトになってしまう可能性だってあるワケです。 それは発熱にも同じコトが言えて、熱というのは、体の中の悪い菌を殺そうと熱が出ているので、やっぱりむやみに解熱剤などで熱だけを下げてしまうというのは良くないことなのです。 普段、下痢や発熱でお医者にかかると、とかくワタシ達は「下痢」や「発熱」などの症状の緩和を訴え、またそれにお医者も応えてくれますが、その時、お医者は只やみくもに下痢や発熱を止めてしまっているのではなく、その時々で、場合によってはその下痢や熱の菌にあった抗生剤などを投与して、症状を緩和すると同時に、原因となっている菌も殺す対策をちゃんと立てて下さってるのです。 (*抗生物質は大変難しいお薬ですから、自分で勝手に判断して服用するのでは効果が得られないことがありますし、それどころかとても危険なコトにもなりかねないと思います。ワタシ自身、旅先で抗生剤を乱用している方も見かけましたので、その事を『旅と抗生剤 』に、詳しく書いてみました。) ワタシの小さい頃からのかかりつけのお医者で、後に帰国後働かせていただいていたおじいさんセンセイなぞは、下痢をした患者さんに 「あのう・・・何か食べてはいけないものってあるでしょうか?」 と聞かれて、 「無い。喰えるなら何でもどんどん喰えばいい、それでどんどん下痢を出すんだよ。悪いものを外に出すんだ。」 と答えていた位ですから(^_^;)。その時のそのセンセイの考えは、患者さんの下痢の原因、体力などから判断して、腸の働きを整えるお薬で様子を見て、あとは自然治癒にまかせよう、という事だった様です。 モチロン、それはどんなケースにも当てはまるというワケではありません。病気は常にケースバイケースですので。 又、以前『旅の準備〜怪我・病気に供え編〜 』にも書きました通り、現地では現地のお医者が名医ですから、場合によってはコレラや赤痢などの可能性だって無いワケでは無いので、具合が悪い時にはあまり無理をせず、すみやかに現地のお医者にかかることをワタシはおすすめします。 かくいう、チャッパルのTさんも、現地のお医者にかかってお尻にぶっとい注射をしてもらって元気になったそうです。 妹はというと、カップヌードルを食べて十分に休息をとりしばらくカレー断ちをした所順調に回復、又すぐに「カレー食べたい〜」などとぬかしておりました。 しかし、下痢や発熱は止めるな医者に行け、と言われてもすぐにお医者にかかれないというコトだってあると思います。 そんな時はどうしたらよいか。 そんな時は、まず、落ち着いて自分の症状を観察、記録しつつ、適当に水分を取ってとにかく休むのが良いかと思います。発熱の場合は、(手に入れば)氷などを袋に入れたモノや、ミネラルウォーターをボトルごと凍らせたモノなどを脇や股にはさんで、カラダの太い血管のある所を冷やします。 そういった、いわば自然治癒を待っている様な状態の時に心配なのは、体力の低下と脱水症状です。 旅先で、特に気温が高い国、乾燥している国等を旅している時は、只でさえ暑さや疲れから脱水症状をおこしやすくなっていると思うので、下痢や発熱時にはつとめて水分を取る様心がけます。 その様な時の為にも、粉末のポカリスエットを幾つか持っていくと心強いかと思います。 実はワタシはあちこち行っている割には体があまり丈夫ではなく、扁桃腺肥大、気管支炎、気管支喘息などの持病があり、又乾燥に極端に弱い体質の為、ポカリの粉末は出発前に必ず日本から持って行く様にしています。 そして、特に乾燥した地域に行った時などは、病気じゃなくてもミネラルウォーターにポカリの粉末をといた物を持ち歩いて飲んでいます。(もちろん、長期の旅行の場合はそんなワケには行きませんが(^_^;)、だいたい1ヶ月前後位までの旅ではそうしています。) そして、なんと言ってもまずはじめに病気の予防として大切なのは「疲れないこと」だと思います。コレが第一の病気の予防と旅の安全の為になると思います。 その為にはあまり無茶なスケジュールをたてたり連日夜更かししたり・・・という事は避けなければなりません。 『シワのおじいちゃん』でも書きましたが、旅先では『1日1コの事しか出来ない』と思って、ゆっくりとしたペースで旅する事を是非おすすめします。(と言いつつ、ワタシ自身も短期の旅行の時は結構詰め込んでしまって、熱なんか出したりしちゃったんですよネ〜(*^o^*)反省、反省。) というワケで・・・お互い無理な旅行は避けるようにしましょう(^_^;)。 それでは、元気に行ってらっしゃあい〜(^▽^)/~~~~~~(って誰が?!) |