* お せ ん べ *
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みなさん、お煎餅は好きですか?

ワタシは大好きなんです。

ワタシの母方の祖母の家は和菓子屋をやっていて、和菓子屋と言っても、和菓子の他に、かんぴょうのお寿司(巻き寿司)や油揚げのお寿司(おいなりさん)、それからおこわ(お赤飯をおにぎりにしたもの)なんかも置いていて、

冬はおでん、夏はかき氷、そして定番のところ天・・・

かんぴょうの嫌いなワタシは、よくかんぴょう抜きの、海苔とご飯だけのお寿司を巻いてもらって、それを切らずに長いまんま手に持って遊びながら食べていたものでした。

ショウケースはL字型に道路と店内に面していて、お店には瓶入りペプシの大きな販売機、そしてテーブルが3つ。

テーブルには塗り箸が置いてあって・・・

まぁつまりはお茶屋さんと食堂のあいのこみたいなお店でした。

そのお店のショウケースの上に、当時は大きな猫ビンが4つ5つ置いてあって、そこにはすごく固くて大きなお煎餅が入っていて、1枚いくらで売っていました。

猫ビンていうのは、ガラスの丸くて四角い分厚いガラスのビンで、蓋にはあれはアルミなのかな、アルマイトなのかな、が、ちょこんと載っている、とっても可愛いビンです。

取り出しやすい様に、蓋が斜めに付いていて、そのフォルムが丁度背中を丸めた猫みたいだというので、そういう風に言うそうですが、ワタシの祖母の店にあった猫ビンは、確か蓋がてっぺんについていて、誰も「猫ビン」なんて可愛らしい呼び方はしていなかった様な記憶があります。

あのお煎餅、醤油味で、子どもの頃は固くて固くて、噛んだら歯が折れそうで、頭の中まで「ガリン!」という音が響いて来ましたが、アレは、昔の固焼き煎餅が特別固かったんでしょうか?それともワタシが子どもだったから固く感じたんでしょうか?

あのお煎餅は固くてそんなに好きじゃあなかった記憶があるんだけれども、でもワタシはお煎餅が大好きで、一体いつからこんなに好きになったのかちょっと良く判らないけれども、まぁとにかく今でも大好きです。

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そして、お煎餅を食べると必ず食べたくなるものがあります。

それはゴハン。

普通、しょっぱいものを食べるとお水が欲しくなるみたいなんですが、ワタシはゴハン。

だからお煎餅を食べてはゴハン、ポテチを食べてはゴハン、カールを食べてはゴハン・・・

この組み合わせの愛好者は結構いると思うんですけれども、多分、そういう人はソレをやると子どもの頃、両親や周りの大人に叱られていると思うのですが・・・如何ですか?

「お行儀が悪い!」「ゴハンが食べられなくなるよ!」

と叱られつつもこっそりお煎餅にゴハン。

一人暮らしになったなら、もう叱る人はいないからおおっぴらにお煎餅の上にゴハンを乗せたり、お茶碗のゴハンにスナック菓子を振りかけたり・・・でもすごくお行儀の悪いことをしてるんだなぁ、という気持ちはいつもありました。

反面、どうしてこの美味い組み合わせがダメなのだろう、という疑問もありました。

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 南印度に行った時、「ミール」とか言う、わんこそば風のカレーを食べた時、(バナナの葉っぱの上に、食べたいだけゴハンやカレーをよそってくれるのです。この方法の「一人前」は、多分おなかが一杯になった時点で「一人前」なのです。)

「パッパーる」と言う食べ物に出逢いました。(「る」は若干巻き舌風)

それは日本で言う所のふくれ煎餅で、手の平に乗る位のぷくっとふくれたお煎餅でした。(多分揚げてあるのだと思うのですが)

その食べ物は、なんとゴハンの上に手で砕いて、ゴハンやカレーと一緒に食べるものだったのです。

まさに(ワタシのとっては食の)パラダイス。

香港で飲茶をした時も、おかずの様なディムサム(小さな蒸籠に乗っている、様々なお料理)と、まるでお菓子の様なディムサムが沢山カートに乗って運ばれていて、

ゴハン(食事)と一緒にお菓子を食べてもいいなんて!!

と、狂喜乱舞したものですが、アレはアレで、香港の人にとっては食べる順番や粋な食べ方、て言うのがあるみたいで、ワタシみたいな旅行者はやっぱり野暮な食べ方をしているワケで・・・おこられやしないけれども、まぁカッコ良くは無い。

ところが、この「ミール」は、堂々とばりんばりんとゴハンの上で「パッパーる」を砕いて思うさまゴハンと一緒に口に運んで言い訳です。嗚呼(;▽;)。

カレーは辛くて殆ど食べられなかったワタシでしたが、この「パッパーる」は忘れられない美味しさ、というか嬉しさ、楽しさでした。

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 東南アジアにも同じ様な食品があって、インドネシアでは「くるっぷ」とか呼んでいました。

まぁえびせんですね。「パッパーる」の様に中に空気は入っていませんが、結構大きなえびせんです。

それは、最近では日本でも小じゃれた居酒屋やレストランで「チャイニーズチップ」とかなんとかと言ってポテチ代わりみたいにして出している様ですが、現地では、そんな品の良いモンじゃない。

「くるっぷ」は、揚げる前は乾物みたいな状態で、多分、えびの入った(本当に入っているのか、又入っていたとしても含有量は不明)何かのペーストを固めて干して切ってあるんだと思うんですが・・・

その種類によりますが、いかにも手作りって感じでカタチが不揃いなのもあれば、多分、機械か何かで輪切りにしてあるんでしょう、きちんとカタチがそろっていてその一枚一枚に押印がしてあるものもあって、それがゴミ袋みたいな大きなビニールブクロに大量に入っていて、おんぼろトラックなんかで運んでいる。

ヨコハマの中華街や下北沢etc...なんかでも、コンパクトに箱詰めになったモノが買えますが、インドネシアの食べ物屋さんではアレは無くてはならないものみたいで、特にバリ島のお店では必ずゴハンモノにはアレが一枚添えられていました。

そんなワケで「くるっぷ」も大量に使うのでしょう。あのゴミ袋に大量につまったアレは、言うなれば『業務用』っていう所なんでしょうか?

その乾物状の、固くて半透明なソレを熱した油の中に入れると、あらあら不思議。みるみる内にすごく大きくなってえびせん(「くるっぷ」)の出来上がり〜(^-^)。

そしてそのえびせんを、やっぱりバリバリとナシゴリン(焼き飯)やナシ(炊いた白いゴハン)の上に砕いてゴハンやオカズと一緒に食べるのです。

見ていると、左手に「くるっぷ」を持ちつつちびりちびりと食べながらゴハンを食べている現地の人もいました。

アレは、ちらし寿司や鉄火丼のお刺身を、ゴハンと一緒にわしわしと食べないで、お箸で一枚一枚お醤油を付けながら食べる派の人がいますが、そんな感じなんでしょうか?

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まぁ、ともかく、お煎餅+ゴハンはちっとも変じゃない、美味い!
という事が証明されたワケです?!


P.S.
そういえば、中国料理の『お焦げ』って高級品だったいね?