* 全部実話だ!PART・I *
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先鋒:『しんくろにしてぃ』

 今日、ある旅行友達と会う夢を見た。ここからはその夢のお話し。

 彼女は現在中野に住んでいて、夢の中でも中野に住んでいるコトになっていたのだが、ワタシは何故か帰国後に勤めた病院にまだナースとして勤務している、という設定の夢だった。

そして何故か井の頭公園が中野にあるコトになっていて、その中野にある井の頭公園で彼女と待ち合わせをしていた。

勤務が終わって、ワタシは井の頭公園に行こうとしているんだけれども何かの理由で出発が遅れてしまっていて、ワタシは病院で予防衣(白衣の上に着る、かっぽう着みたいなもの)のまま、彼女の電話番号を探していた。

何とか連絡を取らなくちゃ、と焦って彼女の電話番号を探すんだけれども、探しても探しても電話番号が探せない。

もう、待ち合わせの時間から1時間以上も経ってしまっている。

どうしよう、どうしようとおろおろしていると、彼女の方から電話をかけて来てくれて、やっと彼女と話しをするコトが出来た。

ほっと一息。


・・・すると本当に電話のベルが鳴って、その音でワタシは目を覚ました。

寝ぼけ眼のまま電話に出ると、なんと先ほどまで夢に出ていた彼女の声がする。

彼女は突然、「今からそっちに遊びに行っていい?」と言った。

彼女と連絡を取ること自体すごく久しぶりだったのに、彼女は突然、何の前触れも無く今からウチに遊びに来るという。

夢のつづきかと思って本当にビックリした。





次鋒:『むしのしらせ』

 それはまだ実家に住んでいる頃、多分高校生か何かだった頃だ。

夜中にふと目が覚めて何気なく階下(した)に降りて行った。

そして又、さしたる理由も無いのに祖母の部屋へ行った。

祖母の部屋は家の一番奥にあって、普段から行ったりする様な所では無かった。

それなのに、何故かその時は祖母の部屋に足が向いた。

部屋に行くと、丁度祖母が急な心臓発作で声も出せずに苦しんでいる所だった。

・・・おかげで祖母は、今でも健在です。

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『むしのしらせ2』

 やっぱりまだ実家に住んでいる頃、やっぱり夜中にふと目がさめて、そしてその時も何故だかワタシは自動的に階下(した)まで降りて行った。

そしてやっぱり何気に奥り(「奥」の部屋こと)だったか応接間だったかの窓辺に、まるで吸い寄せられる様に歩いていった。

すると、カーテンの隙間から目が見えた。

一瞬、貞子かと思ってすげーびびったけれど、良く見ると県外に嫁に行った筈の叔母だった。

「こんな夜中にどうしたの!」

と窓を開けると、喧嘩して家出して来てしまったと言う。

でも実家に帰って来てはみたものの、やっぱり入りずらくて、でもどうしていいかわからなくてそこに立っていたのだとか。

もしワタシが階下(した)まで降りて行かなかったら、もしかしたら叔母は大人しくウチに引き返していたかもしれない。

・・・ちなみに叔母は、今でも離婚していません。




中堅:『消えた紙袋」

 ワタシが小学5年生の頃だったと思う。

母がワタシにジャンパースカートを買って来た。

母は、紙袋から乱暴にジャンパースカートを取り出して

「ちゃあちゃん!ほら穿いてみな!」

と叫んだ。

それでワタシがジャンパースカートを穿いてみると、ベルトが無いコトに気が付いた。

きっと紙袋の中にあるよ!と紙袋からベルトを取り出そうとしたのだが、その紙袋は忽然と無くなっていた。

それから母と2人で部屋中、家中、そして家の周りまでくまなく探したのだが、とうとう紙袋は見つからなかった。

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『消えた寿司』

 紙袋が消えてから2日目くらいのコト。

母の運転で2人で軽自動車に乗っていた。

ふと見ると、さっきまで座席に置いておいた筈のお寿司のパックが無くなっていた。

「今度はお寿司が消えた!」

と、母と2人顔を見合わせて、えへへ、えへへとお互い青くなって笑った。

・・・母が車を止めて、しばらく2人で探してみると、寿司は紙袋と違ってちゃんと見つかって、今度は母娘で大笑いしたのだが、でも今考えてみたら、お寿司は何故だか助手席の座席の下のすごく奥の方にあったんだよなぁ。




副将:『養護学校のチャイム』

 新築した家は小学校と目と鼻の先だった。

小学校は養護学校とくっついて立っていた。

地元の人のハナシだと、養護学校は昔墓場で、小学校の校舎は野戦病院、そして講堂も墓地だというハナシだった。

「だから講堂で騒ぐとおこられるのだ」と、転校生のワタシは大人からも子どもからも聞かされた。

その講堂ではその後取り壊しの際、屋根裏から大戦中の飛行機のプロペラが出て来て大騒ぎになったりしたから、元墓場、という例のハナシもまんざらウソでは無いのかもしれない。

 たまに、真夜中の2時頃、自宅の2階で生ぬるい風に乗ってか養護学校のチャイムが聞こえて来た。

養護学校のチャイムは昼間でも聞こえて来るのだが、それと違って真夜中に聞く学校のチャイムというモノは、何だかすごく気味が悪い。

でも、そのチャイムは家の中でワタシと妹しか聞いたコトがなかった。

ある日、又夜中に養護学校のチャイムが聞こえた。

その次ぐ日、友人と話していてたまたまそのコトを話した。

すると友人はかつて視聴覚係だったとかで、学校のチャイムというのは近所から苦情が来たりする為、通常は真夜中に鳴ったりしない、と力説していた。


(でも、聞こえるんだよなぁ・・・)

と、いつもの養護学校のわきの道を帰りながら、ふと養護学校の校舎を見上げると、養護学校の校舎がそっくり無かった。

「あ!そうだ。養護学校は引っ越しして、校舎はもう取り壊してあったんだっけ!」

というコトに気付いたと同時にワタシは背筋が寒くなった。

だって計算してみたら、ワタシは校舎を取り壊してからも、もう何度も養護学校のチャイムを聞いていたのだから。

・・・今でもたまにそのチャイムは流れてきます。それもワタシと妹にしか聞こえないのです。





大将:『ヘンな火事』

 年の瀬が押し迫ってくると、とかく人々には「年内に」という気持ちが働くみたいで、色々に動き回る。

借金を返したり、本を返したり・・・とにかくせわしない。

最後のお話しは、そんな頃になるとワタシがいつも思い出す話しです。


それはワタシがナースになる前、まだOLさんだった頃、ワタシがよく通っていたとあるお店で、そこのマスターだったか常連さんだったか、仮にここではAさんとしよう、その人のハナシである。


暮れも暮れ、おしせまりにせまった大晦日の晩、

「こんばんわ〜」

「こんばんわ〜」

という声が窓から聞こえて来た。

Aさんが見ると、隣の家のご主人が立っているのだという。

「どうしたんですか?こんな夜中に?!」

と窓を開けると、ご主人は

「火事なんです〜」

と、やっぱりそぉ〜っと言うのだという。

「火事なんです〜」

と、そぉ〜っと。

「それでどこが火事なんですか?!」

とAさんが訪ねると、

「ウチなんです〜」

とやっぱりぼそぉ〜っと言うのだそうだ。

自分の家が火事だというのにそのご主人は、別に慌てるでもなく、消防車を呼ぶでもなく、只そう言ってぼうっとAさんの家の前で立っているのだという。

それでともかく、Aさんが隣の家迄行ってみると確かに2階から火が出ていて、でも家の人達は誰も逃げる気配も無く、全員荷物をまとめて1階の居間に並んで正座しているのだという。

それでAさんが、慌てて消防車を呼んで家の人を非難させたのだとか。

火事は、2階のおじいさんだったか息子さんだったか、もう忘れてしまったけれど、とにかく酒乱の男性が寝ていた蒲団が火元で、部屋には灯油の臭いがしていたという。

そして火事は、その蒲団と男性だけをキレイに焼いて鎮火した。

鎮火の後、Aさんがその家の1階から天井を見上げてみると、その蒲団があった所がこれまたキレイに四角く、本当に蒲団のカタチ通りに天井が焼け落ちていたのだそうだ。

その時そのお店にいた常連さん達のハナシでは、以前からその家の人はその男性のコトを「コロっちゃうべぇかなぁ」「コロっちゃうべぇかなぁ、何とか年内までに」と言っていたという。


その火事の日から、その家の人達は、家族全員でAさんの家に居候を始めてしまったのだそうだ。(とんだお正月だ。)

そして、もう火事から大分経つというのに、なかなかその人達は出て行ってくれなかったとかまだ出て行ってくれないのだとかと言っていた。

・・・その後、火事は放火とかそんなんじゃなく、寝タバコとかなんとか、ともかく「ごく普通の火事」として処理されたそうだが、地元の人は皆一様にその火事のコトを

「ヘンな火事」

と呼んでいる。


*皆さんのマジ話しもお待ちしておりますm(_ _)m。メール掲示板で。