*「エンデ遺言」3/6 GNP(その2) *
(メールマガジンでお届けに上がる商品のほんの一例です。)

2/3はこちら。

■99.12.6 Mon 15:10 ■

ああ、お腹が痛い。
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 生活費をGNPに換算しない(前回、"■99.12.3 Fry 07:09 ■「エンデ遺 言」2/3の1 GNP"参照 )、というのは実はとても大切な事だと思う。今の 日本は生活する、つまり生きていくのにお金(支出)がかかりすぎる。それ は生活の全てがGNPに巻き込まれているからだと思う。

 例えば解りやすいのが食品だ。

 前回の「イサカ・アワー」のイサカの人達はコストがかかっても安全で 美味しい食料品を求め、そして生産者側もそれに応じた。ここでは生産者 側つまり農家はあらかじめ「イサカ・アワー」で生産に必要な費用が前払 いされている上、生産した「商品」(農産物)はイサカのコミュニティーに 安定供給される為、収入がきちんと見込まれている。

 つまりイサカのお百姓さんは、(味が薄くても農薬いっぱいでも成長剤や 抗生物質を使っても、とりあえず安定して)『売れる』"商品"を作る必要な んか無く、安心してじっくりと安全で良質の有機農法を実現できるのだ。

 イサカの人達のGNPは恐らくはとても低いかもしれない。でも、食卓には 品質の良い、そういった意味でとても贅沢な素材で作られた料理が登って いるはずだ。

 ・・・GNPの魔力に騙されてはイケナイ。

 GNPが上がったというと即"国民の生活が向上した"ととらえるのはあまり にも短絡的だ。何が「豊か」とするのかはここでは問わないが、少なくても 日本国民をそれ程までに物欲と貯蓄に駆り立てているのは、一つは社会保障 の脆弱さと、もう一つは生きて行くタメのコストがあまりにも高いという事 と無関係では無いのではないだろうか。

 誰だって、安心して生きて行きたい筈だ。金銭が無ければ生きて行きにく い社会なんて、ホントは不安な筈だ。

4/6に つづく。