*嗚呼、魅惑のどぅ〜りあん♪*
(メールマガジンでお届けに上がる商品のほんの一例です。)
みなさま、ドゥリアンってご存じでしょうか?果物の王様と誉れ高い、アレです。ちなみに女王様はマンゴスチンだそうですが、ワタシは是非ランブータンをおすすめしちゃいます。ワタシなぞはキロで買ってあっという間に食してしまいます・・・って、横道にそれました。今日はドゥリアン。

ワタシの旅の師匠のおじいさまのお話だと、(戦争中)「ジャングルにクソのニオイのする美味い食いもんがある」と語り継がれた通り、まぁ、そういった果物です(^_^;)。

カタチはその名の通り("ドゥリ"はトゲって意味だそうです)、トゲトゲのまるい棍棒みたいな黄色い果物で、ニオイはワタシはクソ・・・っていうよりも腐ったタマネギのキョ〜レツなヤツ・・・って感じがしました。

味は・・・飢え死に寸前の戦時中のジャングルで、仲間が美味い美味いとむさぼり喰っているのにも関わらず、その食べ物をついに口に入れられなかった兵隊さんもいたといいますから・・・ワタシが食べられなかったのも無理ないでしょう(^_^;)。

でも、好きな人に言わせると、その果物はそれはそれは美味しいそうで・・・なにしろ「王様」と言われる位ですから・・・インドネシアなどではこのドゥリアン、畑に24時間の看守を付けている位だそうです。

もちろん、お値段も他の果物と比べてちょっとというか結構お高め。インドシナの旅では、よく道端で売ってるドゥリアンを買い食いしているオトーサンを見かけましたが、あれは日本で言うと家族には接待とウソついて同僚とこっそりパンしゃぶしゃぶ行ってるよーな感覚なんでしょうか?

ま、今回は、そんな人々のココロをわし掴みにする南国のフルーツ、ドゥリアンにまつわる思いで話しです(^-^)/
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・・・葬式が終わって山を下りたワタシはランテパオという村(町)の"ロスメン"と呼ばれる安宿にいた。

名前は「モニカ」。

そこは家族がやっているとてもアットホームな宿屋さんだ。(と言っても部屋代は足元を見られ、狭いのに2人で8100Rsと言われ、やっとこさっとこ7000Rsに値切ったのたが。)

その「モニカ」に足を捻挫したワタシが一人で寝ていると、そこの子ども達(姉妹)が部屋にドゥリアンを持って来てくれた。

きっとさっきワタシが共同マンディー(マンディー:カマル・マーンディ、トイレ兼お風呂。ワタシの調べではタイ以南の人はトイレが水式になる。水槽に水がたまっていてトイレの後とお風呂変わりの水浴びに使う。)から自分の部屋に帰る時、姉妹がドゥリアンを持って帰って来たのを偶然を見てしまったので、お裾分けに来てくれたのだろう。

留守にお隣の人にクール宅急便預かってもらって、しかたが無いので二匹しか無い伊勢エビを一匹お裾分けに来たって感じ?

ありゃりゃりゃりゃ・・・

つい二日程前にもワタシは、師匠が買って来たアレと格闘して食べられなかったばかりである。(ちなみに師匠は「コレはスカだ」などといいつつ2個もたいらげていた。)その時はそのあまりのニオイのすごさに、悪いけどマ〜ンディーで食べて欲しいと思った位だ。

しかし、姉妹はキラキラした瞳でワタシがドゥリアンを美味い美味いと食べるのを期待している。ワタシはそれに応えて満面の笑みを浮かべ、でも決死の覚悟でドゥリアンを口に運ぶ・・・のだが、やっぱりどうしても、どう〜っしても口に入れられない。

頭をフル回転して、ワタシは「せっかくのドゥリアンだからすぐ食べてしまうのはもったいないのであとでゆっくり味わわせて頂くね」という言い訳を(通じたかどうかわからないが)して、ドゥリアンをベッドの下に隠した。

ふぅ。

以前、ワタシは偏食ゆえに安上がりで奢りがいの無いヤツだというコトをここに書いたのだが、旅先でも同じ様なコトはいくらでもあるのだった。

香港の人に飲茶を奢ってもらって、鶏の足の煮物をすすめられたりとか、前号のトラジャンの人のお葬式でも豚や牛の竹づつ蒸しを頂いて、"有り難いんだけれど食べられない"・・・っていうのが。んで大抵そういう時って、相手にとってはおとっときのご馳走だったりするんだよね(^_^;)はぁ、申しワケ無いコトです・・・

そういう時、いつもワタシはコレで相手がものすごい頭に血の上りやすい民族の酋長か何かで、契りの杯を交わさねばならない場面かなんかだったりしたらどうしたろう、又そーゆー状況に出っくわしたらどうしよう、って考えてしまう。どーすんだ、ワタシ?!って(^_^;)。

幸い、その子達とはその後折り紙をしたりインドネシアの歌を教えてもらったり学校の話しを聞いたり友達を紹介されたり・・・と、とても仲良くなれたからよかったのだが、その為か、又はインドネシアの人の相互扶助の気持ちからか、又彼女達はワタシに食べ物を持って来てくれたのだ。

それは「グズ」という家庭料理らしかった。きっと師匠も外出しているし、ワタシは動けないしで気の毒に思ってくれたんだと思う。

「グズ」は、魚、山菜、トマト、しいたけ、青唐辛子などをものすごく細かく砕いたモノが入っているスープに、片栗粉のかたまりが入っているモノで、名前も似ていてびっくりだが、ちょうど葛のチリスープといった感じ。

・・・実はワタシは辛いモノも大の苦手なんでアリマス。印度に行った時もチャパティ(精製してない小麦で作ったパンの様なもの)とダヒ(ヨーグルト)とラッシー(飲むヨーグルト)で過ごした位。

その「グズ」れを一口、口に入れたらもう髪の毛が逆立つ程辛い。絶対喰べられん!思いましたが、例のドゥリアンのこともあるし、今日ここで食べられなければもぉダメだぁ!と思ったワタシはその料理をイッキにゴクゴクと・・・

ミゴトに(?!)飲み干し"TERIMAKASI(どうもありがとう)"と姉妹に微笑むワタシ。しかしその実そのあまりの辛さで耳が痛くてしかたがなかったワタシ。です、はい(^_^;)。
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現地のモノを何でも美味しく食べられる旅の強者の人達と、グルーミングしながら動物の蚤を食べてしまうムツゴロウさんには、本当敬服してしまいます。

いくらワタシ。が旅と動物が好きでも、その方たちと比べたらてんでダメダメ、ニセモノだぁ〜と思ってます(^_^;)。

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