*暮れがく〜れば思いだす 〜♪*
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 昨日、古い仲間から忘年会に誘われた。「喘息気味なので今週の金曜はちょっと帰省できそうにない。」と断った。もう、忘年会のシーズンなのか・・・

 忘年会と言えば、思い出す。親父の余興の練習だ。

 言うに及ばず父はある面、しごく真面目な人である。仕事人間だし、職人だし、仕事に妥協は許さない。365日仕事をしている。そんな父が忘年会の余興をまかされた。

 それは自営業の仕事が減った為、午後からの嘱託として勤め出した会社の忘年会だった。

 生真面目な親父は、どうしよう、どうしよう、と真剣に出し物を考えた末、考えあぐねて私に相談して来た。そのイキオイは地球最後の日の前日に、地球を救う手段を乞うよーな鬼気迫るモノであった。

 そうして運命共同体となった二人は、薄暗い玄関先の廊下で色々と思案したのだが、なかなかイッパツ芸というのは思い浮かばないものである。そこで、私は最終兵器を提案した。

出産だ。

  私>セーターをさ、逆さまに履くでしょ、んで誰かもう一人が後ろからそのセーターに首を突っ込んで股の間から頭を出すの。んで出産!!って叫ぶんだよ。
  父>ええっ?!しゅ、出産かい?!
  父>そ・・・そりゃ、面白いのかなぁ・・・
  私>・・・・・・
  父>・・・・・・

 ネタづくりに行き詰まった飽きてしまった私は、マンガを手にその場を去った。そして父の忘年会のハナシなど忘れた・・・頃、背後から・・・

ちはる!コレで、コレでいいのかい?!

 振り返ると親父がモスグリーンのセーターを履いてどたばたと歩み寄ってくる。

ちはる!コレで・・・コレで出産ッ!!って叫べばいいのかい?!

 そ・・・そうです。お父様。

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